働く女性のM字カーブゆるやかに。育休復帰後だからこそゆっくりと
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働く女性の実態調査の結果が公表されました。群馬県は課長級以上に占める女性の割合、女性の労働力率共に全国第10位にランクイン。出産後も働き続ける女性が増えてきています。産科婦人科からみれば、育休復帰後だからこそ気を付けてほしいことがあります。
育休復帰は年々増加 「M字カーブ」が表すもの
厚生労働省がまとめた調査結果「平成28年度(2016)年度版 働く女性の実情」(女性労働白書)が公開になりました。毎回の調査で話題となるのがいわゆる「M字カーブ」。結婚、出産、子育てといったライフステージで仕事を辞める女性が多くなると、これらにかかる年齢の労働力率が凹み、子育てがひと段落してもう一度働きはじめる人が増えてくる30代後半からは再度上昇することから、折れ線グラフがMの形状を示すため「M字カーブ」と呼ばれてきました。この「M字カーブ」の溝が近年、徐々にゆるやかになってきています。
これは、結婚、出産により離職する女性が減ったことを示すもの。産育休を取りそのまま働き続ける女性が増えたことを表しています。都市部では待機児童の問題も慢性化しており、「産後、早めに預けなくては保育園の空がななくなるから」との不安から、育休を最短で終わらせて復帰を目指すママたちもいるほどです。しかし、無理のし過ぎはその後の体調に大きな影響を与えるため、注意も必要です。
休むことも仕事のうち 産後の養生は一生を左右する
「産後の肥立ち」という言葉を聞いたことがある人もおおいはず。産科でいう「産褥期」を「産後の肥立ち」と昔の人は呼んでいました。産後6週間から8週間を指す言葉で、実際、この時期の療養は出産という大仕事を成し遂げた女性の体にとってはとても大切な時期なのです。10か月という長い時間をかけて大きくなった子宮ですから、元の大きさに戻るのにも時間がかかります。産道や子宮にかかった負担が回復するのにかかる期間は6週間から8週間と言われており、まさに、「産後の肥立ち」の時期にあたるのです。また、骨盤が元の状態に戻るには、さらに時間がかかるとさえ言われているのです。
法律上は最短で産後6週間(本人の申請により医師が認めた場合のみ)から仕事に復帰することが認められていますが、産後の回復力には個人差があるため、全ての人が6週間で復帰できるとは限りません。悪露などがみられる場合はまだ体の中に出産でかかった負担が残っている状態なので無理は禁物です。じっくり体を休めることに専念してください。また、通勤で立ちっぱなしになるなど、骨盤に負担がかかることについても気を付けましょう。骨盤が正常な位置に戻る前に負担をかけるとズレた状態でかたまり、慢性的な腰痛を引き起こすこともあるからです。
また、授乳期はホルモンバランスや血のめぐりの影響で、ボーッとしやすくなりがちです。頭が働かない状態で仕事をしても、良い結果が現れないこともあるでしょう。産後一か月検診はもちろんですが、こうした症状についても産科婦人科で相談してみるのもよいでしょう。あなたの身体にあった復帰プランが立てられるはずです。政府は育休期間の延長も打ち出しました。産休中の女性の中には「早く復帰しなければ取り残される」という気持ちの焦りもあるでしょうが、産後の自分の体への気遣いはその後の一生を左右するといっても過言ではありません。後に続く長いワークライフのためにも、無理をしすぎずに休める時にはしっかりと体を休ませてあげましょう。