生理痛は「ない」のがあたりまえ下腹部痛みや腰痛に潜む病気のサインとは
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働く女性が増えた今、昔に比べて一人の女性が経験する出産数は減りました。妊娠中は止まる生理ですが、妊娠回数が減れば、それだけ一生のうちにくる生理の回数が増えるともいえます。長い付き合いとなる生理、しかし、まだまだ女性が知らない生理の真実もあるようです。
「生理痛があるのは当たり前」
という誤解
多くの女性が悩む月経痛(生理痛)。医療機関が行ったある調査では、20代で85%、30代で81%と、ほとんどの女性が「月経痛がある」と答えました。また、就労女性の約9割が、月経痛が仕事になんらかの悪い影響を与えていると回答しています。そんな中、月経痛(生理痛)は「あって当たり前という考えは危険」と警笛を鳴らす婦人科医が増えています。厚生労働省が公表した調査によれば、月経痛を訴える女性の25%から子宮内膜症が見つかったというのです。子宮内膜症は生理のたびに進行する病気です。放っておけば、妊娠しづらい身体になる可能性も高く、注意が必要です。
子宮内膜とは、子宮内にできる赤ちゃんの居場所にあたるところ。妊娠がなければ子宮内膜は使われません。使われなかった子宮内膜は、子宮から自然にはがれ、膣を通じて体外に排出されます。これが月経(生理)です。月経痛はこの子宮内膜を外に押し出そうとする時の筋肉の収縮により痛みが出ると言われていますが、このような自然に起こる月経痛ばかりではありません。子宮内膜症など病気により月経痛がひどくなることがあるからです。
痛みを軽くみないで!
子宮摘出の危機にもつながる
月経痛の痛みの度合いは人それぞれ、痛みがどれほどなのかを他人と比較することは難しいです。だからこそ、「自分もみんなと同じ、ただの生理痛」と自己診断するのは危険です。特に、日常生活に支障が出るほどの痛みを伴う人は気を付けましょう。子宮内膜症など、病気が痛みを引き起こしていることがあるからです。子宮内膜症は内膜に似た組織が子宮の内側以外にできてしまう病気です。子宮外にできた膜は、体外に排出されることなく残ります。生理のたびに出血や炎症を起こします。これが痛みとなって現れることがあるのです。
子宮内膜症になると、月経にともない下腹部痛、腰痛がひどく出ることがあります。排便時に肛門の奥のほうを突き上げるような痛みがある場合や、性交の時に痛みがある時も注意が必要です。子宮内膜症は治療を施さなければ子宮や卵巣を摘出しなくてはいけない事態にまで発展する病気です。月経はあなたの健康管理のバロメーター。体重を気にするのと同じように、月経の様子も気にしてみるといいでしょう。