国立スポーツ科学センターが女性トップアスリートを対象に行なった調査によれば、月経周期異常がある選手は約40%にも上ることが分かりました。選手として伸び盛りを迎えるのが10代、20代。しかし、この時期は医者から見れば体が出来上がる大事な時期。十分な睡眠とバランスのよい食事が不可欠な時でもあるのです。食事の管理や、睡眠管理を十分にしないままに過酷なトレーニングを続ければ、体の成長を妨げて、体調を大きく崩す可能性があることが最近の研究で明らかになりつつあります。2004年、アメリカのスポーツ医療学会は「女性アスリートの三主徴」として「無月経」「骨粗鬆症」「low energy availability(利用可能エネルギー不足)」を挙げました。これらは継続的な激しいトレーニングが誘発要因となり、引き起こされていると発表したのです。
指導者や保護者は、著しく体重が減っている選手や毎月一定期間パフォーマンスが落ちる選手がいる場合は、月経にまつわる問題を抱えている可能性を考えてみましょう。気になることがあれば専門家に栄養指導を受ける、婦人科の医師へ相談してピルの処方を受けるなどの機会をつくり10代の成長期にある女性アスリートの体を守るサポートをしましょう。
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